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2016年3月 8日 (火)

第3回空音らぼ「演奏家×音響」セミナー

2月に続き、第3回空音らぼ「演奏家×音響」セミナーに参加しました。
http://soraotosha.jugem.jp/?eid=41

前回はチェロでしたが、今回はピアノ。ピアニストは工藤真希子さんです。気さくで明るい雰囲気の方で、セミナーも楽しい時間となりました(^^)

 

まず聴き比べです。

■1.いつもの空音舎
曲は、ムソルグスキーの展覧会の絵から「キエフの大門」の途中まで。
・屋根を全部開いて:おとなしいフレーズはきれいだけれど、ガンガン行くところは響きすぎてややうるさい印象。
・屋根を半分開いて:全体的に聴きやすいけれど、少し抑圧された印象。

音が違うことは明らかなのですが、僕が「こう聴こえる」と言葉にする部分は見た目や先入観があるかも。

 

■2.デッド
壁と2階手すりを布で覆い、話し声の響きも変わる中での演奏。
・屋根を全部開いて:「1.いつもの空音者」での屋根半開に近い音。抑圧感はないけれど、いろいろと物足りない感じ。
・屋根を半分開いて:高域が少なく、音声ファイル変換で容量節約したような音(^^;

前回チェロのときには、ホールの響きがなくなったことで楽器そのものの響きがダイレクトに聴こえてくるような驚きがありました。しかし、今回のピアノの場合は単に高域のない音に聴こえました。
これは、僕が、擦弦楽器ではそれなりにデッドな環境下の音にも慣れている(自宅の狭い練習部屋をデッド側に振っている)のに対して、ピアノはほぼ響きのある場所でしか聴いたことがない、ということが少なからず影響していると思います。

 

■3.ライブ
デッドにしていた布と、さらに参加者のコートなどもスタジオの外に出しての演奏。
・屋根を全部開いて:華やかで、短時間なら楽しく聴けそうだが、長い曲はしんどいと思う。
・屋根を半分開いて:今までの中ではこれが一番聴きやすいかも。

上で「見た目や先入観」と書きましたが、もしかしたら、屋根全開と半開では、見た目以上に、解放感と抑圧感の違いがあるのかもしれないと思いました。おそらく、ピアノ弾きさんが実際に弾いてる時には、それをもっと感じるのではないでしょうか。
感想を求められたときに言いましたが、「屋根全開で半分だけデッドにするとバランスが良さそう」と思いました。解放感があって、うるささ控えめ。

 

■4.柱状拡散体に布をかぶせて
屋根は半開で、3.ライブとの比較。
音の変化はあったのですが、前回のチェロのときのような音が無表情になったかのような感じはあまりなかったです。楽器の特性の違いによるものなのか、「2.デッド」で書いたように僕の経験の違いからくるものなのかはわかりません。
工藤さんは演奏者の感想として、柱状拡散体があるほうがまとまり感があるとおっしゃっていました。

 

■5.ピアノの下にたくさんの布を入れて
参加されてた調律師さんのリクエスト。
弾き始めは「これはバランス良いかも」と思いました。高域の抜けが良く、うるさくない感じがしたからです。しかし、聴いているうちに薄っぺらい音に感じてきました。音のあちこちが間引かれてるような・・・。
床からの反射音の影響がこんな感じに聴こえるというのは、僕にとっては新しい発見でした。

 

その後の工藤さんからのお話で印象に残ったのは、ピアノで音を飛ばすということ。擦弦楽器なら自分ではできなくても音を飛ばすイメージは持っています。しかし、ピアノは想像がつきません。それを鍵盤の仕組みがわかるモデル(鍵盤一つ分の模型)を使って、熱心にわかりやすく説明してくださいました。鍵盤を押す速さがそのままハンマーが弦を叩く速さなのではないことは知っていたのですが、その仕組みが音を飛ばすということに初めて結びつきました。

そのほか、ロシアでの体験談で古くからあるレンガ作りのような家では部屋を防音する必要がないけれど・・・とか、日本での体験談で某ホールのリハと本番との響きが・・・とかとか、楽しいお話を伺うことができました。

 

最後の演奏は、ピアノ鍵盤に向かって左側の壁だけに布をかけて、屋根全開となりました。なんだか「みんなで見つけたセッティング」です(^^)

1曲目は2階で、2曲目は1階で聴きました。1階で聴いたときには、演奏してる工藤さんの後ろ側だったのですが、弦を叩くハンマーの頭が見え隠れしていました。
本当はその見え隠れが音になっているのに、逆に音楽に合わせて動くメカニカルな仕掛けのように見えて、まるで幻想的なSFを読んでいるような感覚になって聴いていました。

 

ピアノは全く弾けないので参加を迷っていたところもあったのですが、音の響きの違いを通じて演奏者の感覚を伺うことは、視野(聴野?)が広がります。参加して良かったと思っています。

 

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